母の通帳を握りしめるモンスター義妹
結婚式からしばらく後、実家に行くと、「借家」と書かれた看板が立っていました。家の中から金目の物が消え、土地の権利書も飼っていた猫も見当たりません。
慌てて弟に電話すると、「彼女が母親と暮らしたいって言うから向こうの実家に引っ越した。うちは借家にして家賃収入はお義母さんに渡すよ。猫は息子が気に入っているから連れて行く。そうだ、父さんの仏壇を引き取ってよ」。一方的に言いたいことだけ言って、電話は切れました。こんなに自分勝手な話があるでしょうか。
私は弟夫婦と会って話をすることにしました。近所にある大家さん宅へ行ってみると、おとなしかった義妹が豹変していたのです。
「どこに住もうと勝手でしょ。大きなお世話よ」という義妹に加勢して、大家さんも「あんたの母さん、あんたの子供に小遣いや入学祝いを結構渡してたのね。うちの孫ももらって当然。そもそも女手ひとつで子供3人を大学まで出せるはずないんだから、どうせ親のお金を取ったんでしょ」
義妹が握りしめていた母の通帳には、母の手でお金の使途が記されていました。弟のために使ったぶんは知らんぷり。私は怒りでいっぱいでした。