「娘が高校3年生くらいのときだったか、私が『いいネタできたよ』って声をかけたら、『生きる目標があっていいね』って言われたことがあったの。」(清水さん)

どうすれば押しつけがましくない先輩になれるか

黒沢 あと、清水さんは「昔は……」を一切言わないですね。こちらが聞かない限り、昔の話をしない。で、常に新しい人、アーティスト、音楽、機械を知ってる。

鈴木 ちょっと待って。清水さんのいいところが「新しい機械を知ってる」?(笑)

清水 うん、私も驚いた。機械? 機械ってなんだ?

黒沢 知ってるんですよ。

鈴木 なにかを言わないのね。

黒沢 とにかく新しいものに敏感だから、モノマネもどんどん更新されていくわけです。

鈴木 だから「昔は……」を言う必要もないんだろうね。

黒沢 私も、後輩たちに対してそうありたいな、と思うんですよ。だからどうすれば押しつけがましくない先輩になれるか、清水さんを観察してみたりして。

鈴木 僕が思うに、あまり他人に興味ないんじゃないのかな。(笑)

清水 実はそれもあったりする(笑)。よし、10個はなかったけど、とりあえず2人とも合格な。

黒沢 清水さんは、娘さんから仕事のことで「やめてほしい」と言われたこととかないんですか。

清水 ないなあ。娘が高校3年生くらいのときだったか、私が「いいネタできたよ」って声をかけたら、「生きる目標があっていいね」って言われたことがあったの。「私、そんなにないから羨ましい」って。

黒沢・鈴木 あははは。

黒沢 娘さん、すごくちゃんとしてらっしゃいますもんね。清水さんのことを静かに見守る感じで。

清水 全然似てないのよ、私と。だから学校でも職場でも、私の娘だということは黙ってるみたい。

鈴木 わかります。うちの子どもも、僕のこと周囲に絶対言わないですから。授業参観もすっごい遠くからチョロッと見るくらいで、奥さんからも「離れて歩いて」って言われてて。僕が出てるテレビは誰も見ないですし、映るとすぐチャンネル変えられちゃいます。家にいるとなんとなく居心地悪いですよね。

清水 そういうものだよ。自分がテレビに映ってるのを家族に見られるのなんて、私だって居心地悪いもん。

鈴木 急に家族になにも言えなくなったりして。変な感じです。