相手を観察するためのいいバロメーター

鈴木 僕を見ないようにするヤツっているんです。そういう態度が、カギですね。

黒沢 それ、ものすごくよくわかります。私も普段、自分を「一番下の人間」と思ってとにかく端っこを歩いているせいか、私とほかの人との態度の違いで、人の「怪しさ」を見極められるんですよ。たぶん私も拓さんも、そういう意味で似た位置にいるっていうか。

清水 25年近くこの世界にいて、2人とも自分のこと、低く考えすぎじゃない? ただ、相手を観察するためのいいバロメーターにはなってるのね。

黒沢 しかもその態度の違いに、気づかないふりするのもうまいんですよ、私たち。

清水 あははは。

黒沢 だから、こういう私たちにまでよくしてくださるのが、やっぱり本当のいい人だと思いますね。

鈴木 清水さんも《観察》の人じゃないですか。「こいつは怪しい」とピンとくるときは、どういうときですか。

清水 私への態度ではわからないけど、やっぱり怪しい行動ってあるよね。前に、ロケでうかがったお店の方が、出演者ひとりひとりにご厚意でなにかをくださったことがあったの。そしたら出演者の若い女性の分を「いらないよね?」って言ってもらってる人がいて。そのときは、「なんてセコい奪い方だ!」と驚いた。

黒沢 そのあと、清水さんから「どういう人?」って聞かれました。

鈴木 おぎやはぎと一緒じゃないですか。僕たちで答え合わせ。