「時代とともに物価が上がっても《一日1000円》のルールは崩さず、持ち前のケチ精神でやりくりできていました。ところが…」(撮影:藤澤靖子)
月4万円の年金で、最低限のものしか持たずとも豊かな暮らしができる……そんな「ケチ道」を実践する、エッセイストの小笠原洋子さん。ところが昨年、まさかの事態で大きな出費を余儀なくされたそうで……(構成:上田恵子 撮影:藤澤靖子)

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私は東京郊外にある3DKの高齢者向け賃貸住宅で、長年ひとり暮らしをしています。家賃は5万5000円ほど。エッセイストとしての収入を除けば、入ってくるのは月4万円の年金のみ。

これまで家賃や光熱費などの固定費を除き、「一日1000円」で暮らす節約生活を送ってきました。

年金が振り込まれたら千円札で1週間分ずつ引き出します。お財布の中には、千円札を7枚。時には余分を含む10枚入れることもありますが、1日の買い物には、1枚まで使えるというルール。時代とともに物価が上がってもこのルールは崩さず、持ち前のケチ精神でやりくりできていました。

昔から、負荷がかかるとその分頭が冴えて、力が湧いてくるところがあるんです。たとえば、ニュースで「キャベツが値上がりしています」と言っていたら、「じゃあ安い白菜を食べよう」と頭を切り替える。

「靴箱が買えない。テレビ台を靴箱代わりにしよう」「ティッシュペーパーは高い。トイレットペーパーを空き箱に入れて使おう」といった具合に。足りないものは創意工夫でカバーして、節約すること自体が好きなので、まったく苦にならなかったのです。