人生観が変わるかも

ニクセンをする際に大切なのは、自分を義務感や生産性から解放し、何かに集中することなく心を浮遊させること。お気に入りの音楽を聴いたり、洗濯物を畳んだり、外を散歩したり、何も考えずに作業をするのもニクセンになる。

オランダに住んで気付いたのは、彼らの生活にニクセンが溶け込んでいるということ。いつもなら公園は肌も露わに日光浴する人で溢れているし、休暇でキャンプ場や海岸に出かけた先でも、デッキチェアに寝そべって一日中ゆったり過ごす人が多い。

新型コロナウイルスの感染拡大により、オランダでは現在も旅行やスポーツ観戦、人との集まりが制限されている。そんななかでも彼らは家でゆったり過ごしたり、森を散歩したりしながら上手に息抜きしている。

日本人も家で過ごす時間が増え、今までになく「空白の時間」を持てるようになった。心穏やかに過ごすためのニクセンを日常に取り入れることで、人生観も変わるかもしれない。 (アイントホーフェン在住・山本直子)

【関連記事】
ヤマザキマリ 「近所から非難されるから帰省しないで」に感じる日本の戒律
私の家には「使わないモノ」は一切ない。有元葉子さんが提案する「始末のいい」暮らし
藤原しおり、ウズベキスタン伝統のパン「ノン」を焼く!【TOKYOで世界一周】