保険、住居ローン…今の自分に合ってる?

●保険は本当に必要?今の自分を見つめて

各種保険は、何のために入ったのか、目的を見直すことが大切です。医療保険なら、公的保険で十分だという考え方もあります。日本には高額療養費制度があるので、1ヵ月の医療費の自己負担額を超えた分は払い戻されます。医療保険料の支払いは、月に2000円ほどであっても、それなりの負担になるもの。自分は今後、保険が使えない先進医療などを積極的に利用したいのか、差額ベッド代が発生する個室を希望するのかなどを考えてみましょう。

子どもが社会人になっているなら、生命保険の死亡保障は必要ないかもしれません。加入時と現在では、ご自身の状況が変化している場合もあります。今の自分に合った保険なのか、検討してみては。

ただ、保険会社に解約したいと伝えたものの、「おやめになった後に、事故が起きたりするものです」などと言われ、結局踏み切れないことも多い。終身の生命保険など積立型保険に加入している場合、いきなり解約するのがこわいなら、「払い済み」にするという方法もあります。保障金額は減額されますが、保険料の支払いをストップできるのです。


●住居費(住宅ローン)は金利の見直し交渉から

賃貸の場合、現在の家賃が高ければ引っ越すしかないと思いますが、住宅ローンのある人は、借り換え金利を比較してみるのもよいでしょう。まずは今借りている金融機関に行き、金利の見直しができるかどうか確認してください。

これまで返済の滞ったことがない人、勤め先が変わっていない人、あるいは返済が大変な人などは、見直しに応じてもらえる可能性はあると思います。

無理だと言われたら、別の金融機関に相談するのも手です。そちらの借り換え金利のほうが低ければ、元の金融機関にもう一度行き、「別のところで、これくらいの金利を提示されているのですが」と話してみる。他の金融機関に相談するのは、比較と交渉のため。実際、借り換えるとなると、手間も費用もかかります。現状の金融機関で金利が下がるなら、そのほうが楽です。

退職金でローンを一括返済しようと考える人もいますが、65歳まで再雇用で働き続けるのであれば、返済期間を延ばすのも一案です。これから定年を迎える人たちは、手元に資金があるほうが安心だと思います。今は金利がさほど高くありませんし、ローンを支払い終えた後も人生は続く。「長生きリスク」がありますから、ローンを払い終えた後の生活の収入、支出、貯蓄額のキャッシュフローを考慮しましょう。

無理に一括返済せず、返せる額にするために金利を下げてもらったり、返済期間を延ばしたりするほうが得策だと思います。