リタイア後、毎月の収入はいくら?

ほかにも、携帯電話のアプリや音楽・動画配信サービスなど、使っていないのに毎月利用料を払っているものはありませんか。少額でも無駄は無駄です。カードの支払明細から洗い出し、使っていないものは解約を。手間がかかる場合もありますが、根気強くやりましょう。

スポーツジムの月会費など、さまざまな固定費があります。すべて洗い出すと、けっこう使っていることに気づいて愕然とするかもしれません。先々のことを考え、年金生活になった時に毎月の収入がどれくらいなのか、把握することが大事です。月々いくら使えるかが見えれば、「ジムは退会し、ウォーキングを始めよう」などの判断もしやすくなります。

配偶者が亡くなって一人になった時、どうするかも考えておいたほうがいいですね。たとえば年金生活をしている夫が亡くなった時、妻の年金はどうなるのか。専業主婦期間が長い場合、夫の厚生年金の75%は終身で受け取れますが、妻が働いていて厚生年金がある場合、遺族厚生年金は調整される、あるいはなくなるケースもあります。

そもそも夫の年金加入が十分でなければ、定年退職後に死亡した場合の遺族厚生年金はもらえないことも。まずは「ねんきん定期便」を見てください。そのうえで、無料で相談できる年金事務所に行ったり、ファイナンシャルプランナーに相談したりして、毎月いくらもらえるのか確認してみましょう。

《いつ死ぬか》は誰にも予測できませんから、死ぬまでお金がもつのか不安になりますよね。大事なのは、キャッシュフローを意識すること。できれば終身のキャッシュフローを見通せるとよいでしょう。終身でもらえるのは公的年金です。公的年金だけで暮らせるくらいに生活をダウンサイジングしたり、年金受給を繰り下げて受給額を増やしたりすることで、不安を軽減できます。

また、できるだけ長い期間働き続けて、少額でも収入を得ることが大きな支えになるでしょう。そして、月々のキャッシュフローを「見える化」する。「なんとなく」使っている固定費を洗い出し、無理なく節約しましょう。