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自分以外に担ってくれる人がいない。体力的にできることが限られてきた──。そんなとき、人の手を借りるにとどまらず、より充実したサービスを受けられたらいいと思いませんか。代行サービスを利用している3人の女性に話を聞いてみた。1人目は池田さん(75歳)。ある時、サービスを上手に使えば自身の労力を減らせると知ってーー(取材・文=玉居子泰子)

年々、体を使う作業が重荷に

日々の掃除や洗濯、料理から、庭木の手入れや洗車まで、家事の内容は実にさまざまだ。長らく家事代行といえば「家政婦さん」というイメージが根強かったが、いまや業者が提供するサービスは多岐にわたっている。

そして、実は年齢が高い人ほど、こうしたサービスを使いこなすことで大きな助けを得られるのではないだろうか。プロの手をうまく借りている3人に話を聞いてみた。


大阪府在住の池田聡子さん(75歳・仮名=以下同)は5年前に夫と死別し、現在は40代の息子2人と暮らしている。聡子さんにとって家事は生活リズムの一部。これまで、面倒だとか疲れたとか感じることはめったになかったという。

「もちろん、睡眠不足の日や風気味の日は、掃除や洗濯を休んだり、冷凍食品を使ったり、手抜きもしていましたけどね」

子育てが忙しかった30代のころに申し込み、40年近く愛用しているのは、A社の「レンタルモップ」のサービスだ。床拭き用モップを借りると、4週間に一度取り替えにきてくれるというもの。代金は月額1045円(税込)だ。

「重い掃除機を使いたくないので、私はずっとモップ派。今思えば、《モップを洗う手間》も減らしていたことになりますね」

家族のために朝夕の食事を用意し、家を整えるのは自分の仕事だと思っていた。だが年々、体を使う作業が重荷になってくる。