\マインドチェンジ(2)/
家族の尻ぬぐいは
しない
〈夫や子どもなど、家族に任せた家事は、たとえ失敗しても放っておく。家族を成長させるために、あなたが尻ぬぐいするのではなく、家族みんなで困る。そうしないと、いつまでたっても家族はあなたを頼ってしまい、家事のシェアができない〉
一つだけでも丸ごと任せる
息子が中学に入学したときのこと。部活は「サッカー部に入りたい」と言ってきたので、「毎日ユニフォームを洗濯するのはママにはできない。自分で洗濯するならいいんじゃない?」と伝えました。「ママの都合で部活を決めるのか!」と息子は怒りましたが、考えた末にほかの部を選択。親子の争いはあったけれど、息子は、洗濯って実は母親にとって負担なんだと気がついたようです。いつからか、子どもたちは各自が自分の服を洗濯して、自分で管理するようになりましたね。
同様に夫に対しても、負担の大きいことは「できない」「大変」という白旗を揚げてはどうでしょう。そして、夫にもやってもらう。「家事をほとんどしてこなかった夫を今さら変えられるの?」と思われるかもしれませんが、大丈夫。家事は《慣れ》なので、続ければ誰でもできるようになります。そして身についた技術は、夫自身の自立生活を支えてくれるのです。
家事を分担する際には、ぜひ、先方の意向を聞き、「これならやるよ」というものを頼んでください。その際、洗濯、掃除といった大きなくくりではなく、たとえば洗濯なら、洗濯機を回す、干す、取り込む、たたむ、と細かくプロセスを分け、その一つを任せたほうがうまくいきます。
頼む前には、たとえば「洗濯物を干す」とはどういうことか、ぜひ、着地点のすり合わせを。夫にとっては単にシャツをハンガーにかけるのが「干す」ことかも。ピンと伸ばさないと、乾いたらシワシワになります。「なに、これ!」と文句が口をつき、夫は「もう二度とやらない!」となりかねません。
ですから、干してもらう前に、「私にとっての干すとは、乾いたときにシワがない状態になること」という着地点を示す。とりあえず着地点さえ合っていれば、干す過程には目をつぶります。要領が悪くても仕方がない。あちらは成長途中ですから。(笑)