久保田さんはハナちゃんを迎えてから毎日写真を撮り続けている(写真提供=久保田さん)

夫と私とハナちゃんは、別々の人から生まれた3人が集まった3人家族。当たり前の家族ではないと意識することで、より強い絆を毎日少しずつ作っていけたらいい。

私たちにとって絆というのは、日々の一瞬一瞬が積み重なってできていくものです。2020年の4月には、初めて彼女のほうから「ママ」と呼んでくれました。自分は彼女にとってかけがえのない存在なんだとわかった今は、自信を持って「ママだよ」と言うことができます。

ハナちゃんがうちに来た日から毎日写真を撮り続けていて、一緒にお出かけした場所とその日のハナちゃんがそこにはちゃんと残されている。私は産んではいないけれども、生後4日から彼女を見ている。

お花見も、運動会も、動物園にも一緒に行きました。毎日一緒にいるという、この積み重ねに意味がないはずないですよね。いつかこの写真を、ハナちゃんに見せてあげようと思っています。

 

いつか「真実告知」をする時のために

アメリカにいた時はまったく感じなかったけれど、日本に帰国してから身に染みたのは、養子に対する社会の理解がまだ十分に進んでいないということです。アメリカではテレビドラマなどでも普通に出てくる親子の形なのですが、まだまだ日本では特別なことなのですね。

養子縁組をした当初は、積極的に周囲の方にお話しするようにしていたのですが、戸惑われることもたびたびありました。「すごいね」とか「偉いなあ」という反応もあった。相手に気を使わせるのが心苦しく、だんだん話さなくなっていったのですが、私たちはポジティブな選択をしたのに、隠す必要があるの? という気持ちも強くて。