2020年末、世間に公表することを決意したのは、「養子はかわいそう」「養子を育てるのは大変」という既存の価値観や先入観が払拭され、もっと理解が広まってほしいという願いからです。

いずれ、娘には「真実告知」をする時が来ます。「真実告知」とは、彼女の出自と、私と夫とは血縁関係はないことを告げるプロセスで、どのタイミングでどんなふうに知らせるかに特に決まりはありませんが、私は早い段階から徐々に伝えていくつもりです。

彼女を産んでくれたお母さんは、自分で子どもを育てることができない状況でした。でも、産むことを決意し、彼女のことを第一に考えて手放す決断をされた。その方に対して、私は感謝しかありません。娘には、私がどれだけあなたを大切に思っているかとともに、あなたのことを心から思ってくれる人がもう一人いる、ということをきちんと伝えたいです。

そして、「わが家は特別養子縁組をして幸せだ」と、オープンに語ることも続けていこうと思っています。養子縁組が子どもを持ちたい方の選択肢のひとつとして多くの人に知っていただけるようになり、多様な家族のありかたが社会で認められるようになれば、必ず娘のためにもなると信じています。