全国のスーパー銭湯の大広間をお客さんでいっぱいにする、ムード歌謡グループ「純烈」。そのリーダーでプロデュースも担当する酒井一圭さんが、悩める淑女に寄り添います!?(撮影=水野昭子 イラスト=風間勇人)
《 お悩み 》
「泣き暮らす父が心配です」
お正月に、母が自宅で虚血性心疾患のため急逝しました。その時、そばに父親もいたそうです。私も母が亡くなったことを信じられずにいるのですが、父が顔をくしゃくしゃにして「まいった、まいった」と言いながら泣き暮らす姿を見るのがつらくてしかたありません。無気力になった父がボケてしまうのではないか心配です。娘としてどうすればよいでしょうか? (51歳・パート)
《 酒井さんの解答 》
お父さんに感情移入しちゃうけど
妻と会えなくなってしまった夫の気持ちは、娘のあなたが抱く感情とは異なる部分が多分にあるでしょう。とことん泣くしかないのであれば、そうさせてあげてください。
今あなたが見ている光景は、大の男がどうにもこうにも自分をコントロールできなくなってしまっているというレアな場面です。
だからこそ戸惑いや心配もあるでしょうが、女性として娘として、ひとりの男性の本性を知ってもらえればとも思います。
あなたが心配しているように、お父さんがこのまま崩れていってしまうこともないわけではない。
タイミングを見計らいながら、気持ちの区切りをつけていくサポートをしてあげてください。そうすることで、また《生》に向かって歩まれるかもしれません。
ただ、もしそうならなかったとしても、どうか崩れていくお父さんもサポートしてあげてほしい。
もちろん娘としての寂しさ、現実的な負担もある。
人間の最期というのはどう着地すればいいのか……、思い通りにはならないものですね。
今回は完全に私がお父さんの立場に感情移入して、まるで娘に遺言を残すようなかたちになりましたが、私の本音です。