血が目立たないよう、黒い服を着るように

 子どもって残酷ですからね。『8050』を書くにあたって精神科医の和田秀樹さんにお話を伺ったんですけど、中学時代、2階から逆さ吊りにされたり、焼却炉に入れられるなど、壮絶ないじめを受けたそうです。和田さんは、「負けるものか」と思って勉強して、東大医学部に入ったわけですが。

斉藤 僕も、怪我をさせられて血が出たことがあります。

 そんな、ご両親はお気づきになったのでは。

斉藤 ごまかすのはうまくて。でもそれ以来、血が目立たないよう、黒い服を着るようになりました。

 それはもう傷害罪ですよ。不登校にはならなかったんですか?

斉藤 3分の1は休んでいました。喘息を理由にしたり、体温計にお湯をかけて、熱があると嘘をついたり。

 休むと、次に学校に行く時、行きづらくなりませんでしたか?

斉藤 めちゃくちゃ行きづらかったです。

 

先生からも傷つけられて

 斉藤さんのインタビュー記事を読ませていただいて、担任の教師も問題があるなと思いました。斉藤さんに向かって、「お前も悪い」などと言ったとか。

斉藤 ホームルームで僕に対して「斉藤に何か言いたい人は言っていこう」みたいな感じで、僕の悪い点をあげさせるとか――。

 えぇっ! それってまるで、公開処刑ですよね。私も昔、先生から嫌な目にあっています。雪が降った日、雪ってどんな味がするのかなと思って口を開けて見ていたら、通りすがりに「バカ! そんなことばっかりするから、みんなに嫌われるんだ」と言われて、すごく傷つきました。

斉藤 う~ん、なかなかですね。