1988年ソウルオリンピックで小谷実可子さんと演技する田中さん(上)(写真提供:田中さん)

心からやりたいことを書く「わくわくリスト」

田中 愛さんと最初にお会いしたのは、10年以上前にトークショーの仕事でご一緒した時でしたね。

杉山 その仕事が終わった後に、京さんから長文のメールをいただいたのがきっかけです。

田中 そうそう。「私は愛さんみたいにキラキラしている選手は苦手でした」という「告白」メールをお送りしたんですよね。(笑)

杉山 「なんだ、この人は!」(笑)と思いながら、ぐいぐい引き込まれていきました。

田中 現役の頃、私のデュエットパートナーは小谷実可子さんでした。彼女は私にとってライバルであり憧れの選手でもあった。当時はその嫉妬や憧れの気持ちを「負けてたまるか」というエネルギーに変えていたのです。そんな複雑な気持ちを打ち明けることで、むしろ私のほうこそ愛さんに助けてもらったという感覚でした。

杉山 あの時は初対面の方からそこまで心をオープンにしてもらえて嬉しかった。おかげで私も自分をさらけ出せて、話を聞いていただきながら徐々に頭の中を整理できました。その後に「ウィッシュリスト」を作ったんです。やるべきことのリストではなくて、心からやりたいことを書く「わくわくリスト」。今も続けていて、ステージごとに自分を見つめ直す。達成できた時は嬉しくなりますし。

田中 私も5年日記の最終ページにリストを書いています。5年経つと結構いろいろなことが達成できている。字に書いて何度も見て潜在意識に刷り込まれると、アンテナが広がって情報が入るので、実現もしやすくなるのですね。