炎鵬は白鵬に何を学んだか?

しかし、土俵下での優勝インタビューの答えがおとなしかったので理解不能となった。
さんざん言われたと思う「進退」について、「進退という漢字の意味がわからなかった」というのは、納得した。

正面解説の北の富士さんは、「凡人にはわからない」「何かと戦っていたのでしょう」と話していた。「白鵬から学びたい」と炎鵬は十両なのに付き人になり、花道で心配そうに白鵬を見ていた。

白鵬について書いた本を読んでも謎は深まるばかり。本にするのは大変だから、炎鵬は白鵬から何を学んだのかを、400字詰め原稿用紙15枚くらいにまとめてどこかの雑誌に発表して欲しい。絶対に買うから。

白鵬の相撲を見て、私は第51代横綱・玉の海と第58代横綱・千代の富士の共通した相撲を思い出した。二人とも、対戦相手の体が崩れ落ちるときに引き上げて投げ直したことがあった。

一緒に見ていた母が言った。
「あの体勢だと相手が怪我をするといけないから投げ直したんだよ。ゆとりだね。本当に強い横綱だ」と。

45回目の優勝を果たした白鵬は、史上最強の横綱なのだろうか?

今場所、気になっていたのは、東の横綱である白鵬と、東の大関である照ノ富士は同じ支度部屋だったこと。コロナ感染予防のため支度部屋レポートがなくて残念だった。個室ではないと思うので、番付順に座っていたら、すぐ近くで支度をしていただろう。中日を過ぎたあたりから、お互いを意識して、目を合わせないとか、準備運動から取り口を探られないようにするとか、付き人を含めて気を遣ったのではないか。

まさか、「僕たちがマスクをするとマスクが小さく見えるよね」とか、仲良く話すことはなかったと思う。