夫の石井一久さんと食事に行った際に記念撮影(写真提供:木佐さん)

子どもと一緒に過ごす時間は少なくても

生田 私も夫が現役の時は、試合の感想を聞かれました。素人なので、「なぜあそこで蹴らなかったの?」くらいしか言えないんですけど、それってサッカーに詳しい人以外は私と同じような感想を持ったはず。「結局、面白かったの? 面白くなかったの?」と聞かれ、「点の取り合いが面白かった」と言うと、「ならいい。お金を払って観に来てくれた人に、面白かったと思ってもらえれば」って。

木佐 まさにプロですね。素敵。

生田 妻としてはありがたかったけど、子どもが小さいうちは大変な時もありました。夫が遠征中、娘が夜中に具合が悪くなり、救急病院に連れていく時に、車を運転してくれる人がいたらなと思ったことも。

木佐 私も子育てに関しては物理的に頼らないし、頼れなかった。こちらもたくましくなりますよね。一緒に過ごす時間は少ないけれど、精神的な部分で息子と夫がつながっていると感じるので、世間一般の〈普通〉を気にする必要はないな、と思うようになりました。

生田 うちの娘も父親とディズニーランドへ行くのが夢で、ようやく小学6年生の時に叶ったんです。それが今ではもう、「友達と行くから!」って言っています。子どもにとって、父親ってそのくらいの存在なんだなって。(笑)