「水」は、生きるために不可欠であると同時に、健康的な美しさをキープするのにも重要な存在です。 「水はインナービューティの原点。飲む水、浴びる水を意識することで、《きれい》がレベルアップすると実感しています」と山本浩未さん。誰でも今日からできる水美容、始めてみませんか(撮影(人物)=天日恵美子 構成・文=片岡えり)

水について、もっと知りたい!

家庭用浄水器や浄水シャワーヘッドの普及率が高まる昨今。
あらためて、水と体の関係、もっとも美容に近い《浴びる水》の影響を、水の専門家に聞きました

Q 私たちの体には、どれくらいの水が必要ですか?

A

人間の体は、新生児で体重の80%、高齢者で55%ほどが水分で、成人で1日1.5~2リットルの水分摂取が推奨されています。ただ、利尿作用があるカフェインを含むコーヒーや緑茶、解毒を必要とするアルコール類は水分不足に陥る場合があるので、飲みすぎに注意しましょう。

 

Q 水分が足りないと、どんなデメリットがありますか?

A

水分代謝が低下し汗や尿の排出が減ることで、脱水症状を起こすだけでなく、老廃物が溜まりやすくなります。血液がドロドロになり生活習慣病のリスクが増え、むくみ、便秘、肌の乾燥や肌荒れ、髪のパサつきも。喉の渇きは体の水分不足の初期サインです。

 

Q 水を意識するときれいになれますか?

A

体内に水分をしっかりキープすることで代謝が良くなり、血行促進、解毒、潤い、肌の透明感アップが期待できます。起床時と就寝前にコップ1杯の水を飲み、日中は乾きを覚える前に摂取を。入浴、運動前後もたっぷり摂りましょう。洗顔の際は乾燥を防ぐため32~38℃の熱すぎない温度で。

 

Q 水の種類と特徴を教えてください

A

水には硬度やpHという指標があります。WHO(世界保健機関)の基準では、マグネシウム、カルシウムが120以上だと硬水、それ以下だと飲みやすい軟水に。東京の水道水は硬度60、京都の井戸水は硬度40ほどです。一方、pHは値により酸性、中性、アルカリ性に分けられ、アルカリ性の水は食材への浸透力が高く、飲用すると胃腸症状の改善が期待できます。殺菌作用が高い酸性水は、掃除や食器洗いにおすすめといえるでしょう。

 

Q そもそも水道水は安全ですか?

A

国土交通省の調査によると、世界で安全に水道水を利用できる国は、日本を含め9ヵ国と2都市。浄水場で濾過して塩素で殺菌し、安全・安心な水を家庭に届けられる日本の水道水は、世界の中でクオリティが高く、飲用にも最適です。