さらに2匹はペットの医療保険に入っていて、飼い主が変わった場合でも新たな飼い主が保険を引き継げるようになっている。

「妹は、『お姉ちゃんはたぶん猫を見送ってから逝くだろう。500万円もらえてラッキー』くらいに思っているんじゃないでしょうか(笑)。それでもいいんです。何があってもこの子たちの行く末は安心だと思えることが、私には何より大事ですから」

 

確実に託すには《信託契約》と《遺言書》

長井さんの場合はペットを託す相手が身内なので、死亡保険という方法を選びやすい。しかし第三者に託す場合や、相手が見つからない時はどうしたらいいのだろう。

保護猫活動とともに、飼い主の万が一に備えて法的文書を作っている行政書士の磨田(とぎた) 薫さんは、確実にペットを第三者に託すには、「信託契約をつくる」「遺言書を残す」といった方法を勧めている。

「ペットのための信託契約」とは、ペットのための財産管理を信用できる人や団体に託し、その財産から新しい飼い主に飼育費を支払ってもらう契約。信託口座を開設し、信託契約も結んでおけば、飼い主の死後、口座のお金は相続財産から除外される。また、資金の管理や新しい飼い主の飼育状況を見守る第三者が必要だと思われる場合、専門家を「信託監督人」として任命することもできる。