「(フジロックからの)連絡は一度もないです。ROCK IN JAPANに至ってはもう8年くらい干されております。(笑)」(綾小路さん)

折れずに続ければブランド力になる

清水 最近、音楽フェスの数がずいぶん増えたじゃない。私もこの歳になってはじめて、こんなに楽しいイベントなんだと知って。ただ主催する側は、気力と体力がなきゃとてもできないよね。一番力を入れなきゃいけないのはなに?

綾小路 出演者のブッキングです。各ジャンルのトップクラスをただ集めればいいかと言ったら、それだけが正解ではなく、「ワンマンなら見たいけど暑い日に野外で30分程度しか見られないのはなあ」と考えるお客さんも多いわけで。普段1万人を集める出演者が10人出るより、500人規模のライブハウスでやってるバンドを10組揃えるほうが、多く集客できるってことも起こりうる。

清水 へー、勉強になる。一番尖っているのは、やっぱりフジロック? 「ロックじゃないものは出さない」みたいな厳しさを感じる。

綾小路 国内で音楽フェスが一般層にまで認識されるようになったのは、1997年開催の第1回フジロックでしょうね。来年が日本のフェス25周年的な感じになると思います。外タレの招聘に長けたイベンターさんがはじめたイベントでもあり、当時の日本で人気絶頂のTHE YELLOW MONKEYのステージにブーイングが起こったという伝説がありますが、最近はアイドルさんたちもロックって認められて出られるようになってますよ。

清水 氣志團は?

綾小路 連絡は一度もないです。ROCK IN JAPANに至ってはもう8年くらい干されております。(笑)

ヒャダイン 僕もチャラチャラした音楽ばかりやってると思われているので値踏みされがち。J-WAVE やFM802みたいなトッポいFM局ではまったくかけてもらえない。

綾小路 でも「自分たちが認めたロッカーしか載せない」的なことを公言していた感があった『ロッキング・オン』も、いまやPerfumeが表紙を飾ってますから。すごいよなあ、Perfumeは。

ヒャダイン 折れずに続けていくことで、ブランド力はつくられるんでしょうね。「氣志團万博」も続けてきたから、「出たい」っていうアーティストがいっぱい出てきたわけですし。