今回のゲストは、孤高のヤンクロックバンド「氣志團」の團長を務める綾小路翔さんと、アイドルからビックアーティストまで、幅広く楽曲提供を行うヒャダインさん。話は高校時代の思い出から、最近の音楽フェス事情へと広がって――(撮影=木村直軌 構成=本誌編集部)
笑い話にもならない
清水 2人は対照的な学生時代を過ごしてそうだよね。ヒャダインさんは、進学校にいたんだっけ。
ヒャダイン もう、医者のボンボンしかいないような学校でしたね。
清水 高校生のころは、どんな音楽が好きだったの?
ヒャダイン 一番好きだったのはピチカート・ファイヴです。おしゃれで陽気。憧れました。僕がいまやってる音楽に《渋谷系》の要素はあまりないですけど、陽気な成分はいただいた、と思います。
清水 綾小路さんがまちゃまちゃと同級生なのは、有名だよね。
綾小路 千葉の片隅で、中学から一緒です。そもそもまちゃは女子ヤンキーの大将みたいな子だったのに、バンドブームとお笑いブームに出合って、2人とも人生変わっちゃいました。
清水 お笑いブームもなんだ。
綾小路 それこそ、清水さんが出ていた『夢で逢えたら』とか。芸人さんたちがバンドで楽器を演奏してる姿に興奮したし、毎週のように原宿のホコ天やライブハウスにも通いました。そういえば昨日、母校の中学で撮影があったんですよ。あのころは髪を1時間かけてセットしても、校門を入った瞬間に先生につかまって、そのまま水道で洗い流されたりしてましたね。
ヒャダイン それでも、毎日セットして。
綾小路 いまはみんないい子で、言ってもわかんない僕らみたいな《家畜》は、いないらしいんですよ(笑)。「ここが、僕が担任の先生に髪の毛つかまれたまま、頭を洗われた流し場です」とか言っても、笑い話にもならない。