上 令和3(2021)年3 月には、河原町通りの無電柱化工事が完成し、いっそう江戸風情が感じられるようになった。
左下 旧武家町、御徒士町(おかちまち)通りの武家屋敷安間(あんま)家史料館。土塀と棟門の奥に茅葺入母屋造の母屋が建つ。
右下 日本六古窯の一つ、丹波焼。約60軒の窯元が個性豊かな作品を生み出している。河原町の「丹波民芸の店あめや」にて。
子どもたちが学校へと急ぐ朝。自転車が向かうその先で道はゆるやかに曲がり、切妻屋根の三角形が美しい連なりを見せている。ここは兵庫県丹波篠山(たんばささやま)市。歴史的景観を残す河原町には、切妻造の屋根が山形を作り出す面である「妻」側に出入り口を設けた家妻入(つまいり)が多く、「河原町妻入商家群」と呼ばれている。
慶長14(1609)年、徳川家康の命による天下普請で築城された篠山城とともに城下町が整備され、元和6(1620)年には河原町が造られた。今も東西500mに趣ある町並みが続き、千本格子や荒格子、袖壁、うだつなど江戸時代の城下町風情を伝えている。河原町などの商家町は、国指定史跡篠山城跡とその周囲の旧武家町と合わせ、平成16(2004)年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。
河原町で育った「篠山まちなみ保存会」会長の川端登さん(77歳)はこう話す。「私が若い頃、城内には、今も残る幼稚園と小学校以外に中学と高校もあり、そこで学んだり遊んだりするなかで、この町に対する強い愛着や城下町に暮らす誇りが育まれました。春日神社の秋の大祭などの伝統行事も人々の町への愛着を生むきっかけの一つとなり、保存意識へと繫がっているのだと思います」。
●交通:「河原町妻入商家群」へは、JR福知山線篠山口駅より神姫グリーンバス約20分本篠山下車すぐ。
●お問い合わせ先:丹波篠山市観光交流課
TEL 079-552-6907
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