撮影：山形屋平兵衛

俵屋吉富　烏丸店
紫陽花きんとん

梅雨空の街に、野山に、
大輪の花を咲かせる紫陽花。
その微妙な色合いを
きんとんの姿に写して

折々、花の名所をめぐるのも京都旅の味わいの一つ。これからの季節に楽しめる花に紫陽花がありますが、三室戸寺、松尾大社など、郊外の名所のみならず、御池通の群生など、街中のあちらこちらに大輪の花を見かけるようになります。

色が七変化するともいわれるデリケートな花ですが、そんな彩（あや）なす花を写しとった菓子が紫陽花きんとんです。

ふっくらとした丸い花形、小さな花弁が集まるようすはきんとんにぴったりで、この時季の上菓子の定番。

俵屋吉富の紫陽花きんとんは、つぶ餡を、紫、水色、白の三色のそぼろ餡で包み、さらに水滴をかたどった寒天が散らしてあります。雨に濡れながら生き生きと咲くそのままの姿を目と舌で味わえるのも嬉しいもの。氷出しした緑茶などといただきながら、旅をふりかえるのにもうってつけの京の菓子です。

 
俵屋吉富 烏丸店
京都市上京区烏丸通上立売上ル
☎075・432・3101
営業時間：９時〜18時 水曜休
紫陽花きんとん １個378円（税込） 取り寄せ不可
販売期間：６月とその前後（紫陽花の時季に合わせて年ごとに変わる）
そのほかの京都市内での取扱店：本店、小川店