ストレスを発散する場所もない
藤井 先日、職員に陽性者が出てしまった、同じ系列の事業所のひとつは休業しています。このところ家族が感染したという職員が相次いでいて……かなり身近に迫ってきているなとヒヤヒヤしているんです。
坂本 これはケアマネの友人から聞いた話なのですが、自分が在宅の利用者さんに感染させてしまったと。そうしたら出入りしていたヘルパーさんにもうつって……結局、その利用者の方に関わっていた介護者全員が陽性になっていたそうなんです。
内田 地域にもよりますが、「この施設で陽性者が出た」という具体的な情報を行政が明らかにしないところは多い。犯人捜しのようになるのを避けたいんでしょうね。結局、事業所同士がファクスを送って知らせ合う、というのが暗黙のルールになっていますが、行政が感染発生情報をすぐ共有できるシステムを作るべきだと思うんです。
藤井 行政には私も言いたいことがあります。入所施設の職員はワクチン接種を優先的に受けられたものの、訪問や居宅介護のスタッフは後回しにされてしまった。しかも、彼らが優先で受けるためには条件があって。「コロナに感染した、または濃厚接触者認定された高齢者に介護サービスを提供すること」を積極的に受け入れないといけなかったんです。介護職に就いている人の苦労はみんな同じなのに!
坂本 以前なら、つらいことがあってもケアマネ同士の懇親会で愚痴を言い合えば発散できた。それがいまできなくなったからか、周りで辞めていく人が増えています。私も、趣味のバンド活動を休止しているので、ストレスが溜まって爆発しそう。
内田 私、実はボランティアで健康体操や笑いヨガの講師をしているんですが、もう長く教室が開けていない。食べることしか楽しみがなくなりました。