「やっぱり、仕事を持つあなたと話していると楽」

女性は専業主婦に収まるのが主流の時代、職業婦人として生きた伯母は、周囲の専業主婦と対立することも多かったらしい。そのせいか、専業主婦を敵視する発言がやたらと多いのだ。「夫の収入で生きているくせに、夫の愚痴ばかりこぼす」など。

そこへきて、沙織さんの母も妹も専業主婦。ふたりが伯母宅を訪れた後などは、たいてい沙織さんの電話が鳴る。そして「勝手に私の部屋を片付け始めて、何がどこにあるのかわからなくなった」「『料理、いい加減覚えたら?』とこれ見よがしに大量の料理を作っていって、ありがた迷惑」など、不平不満のオンパレード。最後は「やっぱり、仕事を持つあなたと話していると楽」が常套句とか。

「そういうストレートな性格の伯母のことは大好きです。だから、身元引受人になった。と同時に、『当面の軍資金』と100万円送ってくれたので、金銭面では問題ありません。でも、何が負担かって、東京から長崎までの移動時間。イラストの仕事は常に納期がつきまとうから、急にお呼びがかかると困るんです」