調味料は控えめに、素材重視で
次は持ち物である。よく思い出の品を写真に撮って残し、物は捨てるというアイデアが紹介されているが、私は写真では代えられないと思う。過去は過去。まずは年齢に合わない物から処分だ。短い丈のスカート、派手な模様のシャツ、パステルカラーの化粧品などを眺めていると、いかに自分が若作りしていたかに気づき、やや恥ずかしくなる。
それを基準に物を徐々に減らした。捨てないと決めた洋服のほつれなどは自ら直し、少し器用になったと自分を褒めて喜んでみる。衣類を買う時もバーゲンにすぐ飛びつかず、簞笥の中身を思い出して買うようにした。
異動により職場が変わっても、業務は相変わらず忙しいうえに、家からは遠くなった。かつ始業時間が早まったので、起床時間を1時間早めた。ひとり暮らしにはだいぶ慣れてきたが、自炊はなかなか大変だ。といって出来合いの総菜はコストがかかるし、揚げ物を買う頻度が上がれば食事内容が偏る。そこで食事の見直しだ。
朝食は時間をかけず栄養が摂れる納豆中心に。熱々のご飯の上に納豆をかけると栄養価が減り、お茶碗についた納豆を洗い落とす水も増える。パックから直接食べて時間と水道代を節約。昼食は栄養バランスのよい職場の食堂を頼る。
コンビニで買うよりは安く、お弁当を作る負担も減った。勤務日の夕食は豆腐と野菜の味噌汁またはスープをメインに決め、休日にまとめて大量の野菜を切って冷凍しておく。味噌汁の出汁をとる時に使ったカツオ節は、そのまま味噌汁の具に。見た目は悪くとも、食べるのは私だけなので気にしない。
調味料の使い方も気になりだした。砂糖やバターなどは控えめにし、必ず余る焼き肉のタレなどは買わない。塩だけで味付けしたスープ、醬油だけで炒めた肉など、素材重視の調理にしたところ、体によく、肉や野菜本来の味を楽しめるようになった。
さらに食費に大きく影響するお菓子代。これが1ヵ月の集計をとると驚きの数字に。自分の年齢や、親戚縁者に糖尿病の人がいることを考え、これまでの半分に減らす。代替品としてナッツ類がよいとも言われているが、高価なので食べないことに決めた。慣れれば口さみしさも感じない。
出来合いのおかずはなるべく買わず、食材を無駄なく使い切る。これによりゴミも減り、ゴミ袋が1サイズ小さくなって、袋の代金も縮小。経済的に効果が出るとやりがいを感じる。