イラスト:若林夏
SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが話題になり、環境への意識が高まっているこの頃。エコバッグを使う、食材を無駄なく使う、電気をこまめに消すなどの行動を心がけている人も多いのでは。エコ生活を続けることは、節約にもつながります。10年以上前から工夫を凝らして無駄のない生活を送っているという興妙子さん(77)。その驚きの内容とは――

ペットボトルに入れたお湯がヒーター代わり

新型コロナウイルスの影響で自粛生活が続いた。だが私は以前から、いろいろな工夫を凝らしておうち時間を有意義に過ごしている。特にエコや節約を意識したわけではない。昔から続けていることだ。

養蚕を生業とする家に生まれ、祖母がくず繭から糸を紡ぎ、機織りをするのをいつも見ていた。自然からいただいたものは決して粗末にしてはいけないと言い聞かされ、またそんな祖母や母の背中を見て育ったのである。

冬の寒い間は石油ストーブを愛用しているが、最近の灯油価格の高騰が少し気になる。ストーブの上にはいつもやかんや鍋など何かを乗せっぱなし。一日中蒸気が出ていることで加湿器の役目を果たしてくれるのだ。

沸いたお湯は少し冷ましてペットボトルにそそぎ、炬燵の中へ入れる。5、6本くらい入れておくと十分温かいので電気を使わなくて済む。お湯は何度も沸かし直して新しく詰め替える。冷めた湯は、台所の洗い物に使用。これを10年以上続けている。