イラスト:柿崎こうこ
新型コロナウィルスの影響により、家にいる時間が長くなったことで、部屋の片付けに対する意識が高まっているようです。おうち時間を快適に過ごすため、今年こそ収納を見直したり、不用品を処分したりしたいと思っている人は多いのでは。一方で、無気力な状態に陥りものを捨てられず、ゴミ屋敷に住み続ける人々のことが社会問題として取り上げられています。高橋のぶ子さん(61歳)は、友人の影響で万年床の魅力に気づいたのをきっかけに、部屋がどんどん物で埋め尽くされ…

客の居場所を作った後が大変

ごたごたした部屋に住んでいても、人から「あの家は汚い」とは思われたくない、情けない自分。捨てようと思っても、長く使ったものは「お世話になったから」と容易に捨てられない。短いつきあいのモノだって、処分するのは難しいのだ。

毎日の新聞は自分が座る場所の周りに積んであるが、先月くらいのはまだ平気で置いてある。朝刊のすべてを一日で読みきるのは難しい。たまる一方だが、もう読まずに捨てていいやと諦めがつくまでに時間がかかる。

新聞ばかりではない。本や雑誌なども積んであるので、急なお客が来ても気軽に「あがって」とは言いづらい。ちょっと待ってねと言い、積んであるモノはせっせと縁側に運ぶ。

縁側にもミシンやそのほかのモノがあり、置くところはない。何とか崩れないように積んで、しばし置いておく。そして客の居場所を作り、帰ったあとまた元に戻す。だがこの元に戻す、というのが実に大変。あわてて鉛筆や消しゴムやこたつの上のごたごたを一気に引き出しに放り込んだりするものだから、どこの引き出しに入れたかわからず探しまくる。