グランプリシリーズ初戦は、スケートアメリカ(10月18~20日、ラスベガス)。合計299.09点をマークし、2位に40点以上の差をつけて優勝した(撮影・文:田中宣明)
2022年冬季五輪が北京で始まった。開会式前にはやくもフィギュアスケートの団体が始まり、男子ショートプログラムに出場したネイサン・チェンは羽生弓弦の世界最高点に0.11と迫る高得点でトップに。2019-20シーズン開始から注目スケーターの素顔を追った『婦人公論』の人気連載を再配信します。


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フィギュアスケート男子の魅力を伝える、『婦人公論』の人気連載「氷上に舞う」。2019-20シーズン開始から、注目スケーターたちの素顔を、カメラマン・田中宣明さんの写真と文とともに紹介してきました。『婦人公論』5月12日号で最終回(最終回は羽生結弦選手)を迎えた本連載から「ネイサン・チェン選手」を紹介します。(撮影・文=田中宣明)

※本記事は、『婦人公論』2019年12月10日号に掲載されたものです

見る者を圧倒する完成度と独特の佇まい

2019-20シーズンでは、グランプリシリーズ2大会で危なげなく優勝を決めたネイサン・チェン。2015年のジュニアグランプリシリーズ・コロラドスプリングス大会で初めて彼を撮ることになったが、僕は驚きを隠せなかった。ジュニア選手の中に、1人だけシニア選手が紛れているように見えたからだ。

彼のプログラムは、いつも見る者を圧倒する。演技の完成度だけでなく、細部にまで神経が行き届いた独特の佇まいに、自然とカメラが引きつけられてしまう。特に一昨年のショートプログラム「ネメシス」は、間違いなく名プログラムだろう。

彼がもっと幼い頃から撮ってみたかった。そんな気持ちにさせるスケーターである。

「氷上に舞う! Special フィギュアスケート日本男子ベストフォトブック2019-2020」田中宣明さん撮影の写真満載のフォトブック