孫の勉強を毎日のように見ていて、気になることがあるという長田さん(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは70代の長田恵美子さんからのお便り。孫の勉強を見るようになって、授業の進み方が昔より早いと感じているという長田さん。小学生から教育格差が出てしまうと心配していて――。

知る喜びを体験してほしい

私はいま、孫の勉強や宿題を毎日のように見ています。そこで気になっていることがあります。以前より授業の進み方が早い。すぐ理解できる子はいいとして、わかるまで時間がかかる子は理解しないまま次の単元に進むことになります。

小学校では補助の先生がいるようですが、それでも生徒数が多い40人クラスだとサポートが間に合わず、理解できない子を生んでいる気がするのです。そのうえ内容がどんどん難しくなって、算数など、以前だったら中学校で習うような問題が5、6年生にも出されているような印象があります。

親に余裕があれば、子どもを塾などに行かせて補うことも可能でしょうが、それができない家庭もある。経済的に厳しい場合は、母親らがパートなど働きに出ることになります。そこで親の負担が増えると子どもにかける時間的ゆとりもなくなり、本末転倒になりかねません。教育格差は小学生から始まるのです。

楽しく学べるはずの学校がこうした問題に無関心では、不登校や引きこもり、いじめに発展する可能性もあるのではと心配です。学校側は把握しているのに、教育委員会や文部科学省の意向を忖度しているのでしょうか。子どもたちの教育に向き合わなければ、日本の未来は大変なことになると思います。

授業で置きざりにされた子どもたちは、「もう、勉強はいいや」「学校に行きたくない」「つまらない、楽しくない」というマイナスの気持ちになってしまうでしょう。わかる授業の楽しさ、知る喜びを子どもには体験してほしいと切に願います。

それに、子どもたちの「かばん」が重いことについても一言。大人は「ランドセル」の重さを知っていますか? 文句も言わぬ子どもたちがかわいそうでなりません。国には一日も早くカリキュラムを考え、教育にお金をかけてほしいと思います。


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