これがスターというもの?

あさこさん(瀬奈じゅんさんの愛称)は私より一つ上の学年で、
花組から組み替えで来られました。
音楽学校でも一緒に過ごした時間はあるはずなのに、全くご縁がなく、
花組と月組に分かれてからも特にご縁はありませんでした。
一期違いというだけでご縁がない方もたくさんいるのです。

2004年、宝塚90周年の一環として「飛鳥夕映え」という作品で、
他の組のスターさんが特別出演し、
尚且つ役替わりをしまくるという公演がありました。
ご縁のなかったあさこさんと、
このとき初めてご一緒させていただきました。

月組の大空ゆうひさん(月組時代は祐飛)
花組の瀬奈じゅんさん
雪組の貴城けいさん
皆さん私より一つ上の学年、78期生です。

役替わりというのは通常公演よりとても大変なのですが、
このお三方は役替わりをしまくるというとてつもなく大変な任務を受けており、
中臣鎌足、軽皇子、蘇我石川麻呂の三役をこなし、
1日2回公演のマチネとソワレでも役が変わるという
とんでもない集中力を要する日々でした。
しかも日本物のお芝居の後は、黒塗りのラテンのショーでした。

自分だったら、と思うだけで恐ろしいのに、このお三方は常に和やか。
互いに教え合い、何かあれば爆笑。 
やる事も多大で覚えることも人一倍多いはずなのに、ピリピリした空気はゼロです。

本当に尊敬しました。
これがスターというものなのでしょうか?

舞台はもちろん、稽古場や休憩中も下級生は上級生を見ています。
自分の組ではない場所で作品を作っていくというプレッシャーや 
いつもとは違うたくさんの目。
にもかかわらず、和気あいあいと和やかで穏やかな雰囲気。

相変わらず仲のいい先輩お三方のディナーショーが4月、宝塚ホテルで開催予定(写真提供◎瀬奈じゅんさん)