人間関係は難しい。とりわけ女性同士は、なぜこうもややこしいのか……。一度はそう思ったことがある人も多いのでは? 『女子の人間関係』などの著書がある精神科医の水島広子さんに、女性特有の人づきあいの傾向と対策をうかがいました。

「あなたのことは私が一番わかっている」?

人づきあいに疲れた、他人とどう接すればよいかわからないという悩みは、男女を問わず聞かれます。

ただ日本では、女性のほうが「人とうまくつきあうこと」を要求される傾向があります。たとえば周囲の人の顔色を読んだり、相手が必要とすることを細やかに察して行動すると、「女らしい」と褒められる。それがうまくできないと、周囲から「気がきかない」と責められたり、本人もコンプレックスを抱いたりする。

しかしそうした、いうなれば「女度の高い」行動を求められることが、女性特有の人づきあいの難しさを生んでいるのも事実。そのひとつが、集団の「和」を重んじ、異質なものを排除しようとする傾向です。自分と違う価値観を認められず、無意識に「自分が否定された」と感じて、価値観の異なる相手を攻撃することがあります。

その攻撃は、集団の和という価値観をベースにしているため、「世間では」「一般的には」など主語の幅が広いことが特徴です。またその場にいない人の悪口や噂話で盛り上がるのも、いっときの結束を高めるためのツールだと考えられます。

次に「忖度」、つまり相手の気持ちを察するという「女度の高い」行動が高じて、相手と自分の領域の区別がつかなくなるという問題があります。人はそれぞれに事情を抱えており、本当のことを知っているのは本人だけ。

しかし察することに長けた人(女度の高い人)は、往々にして「あなたのことは私が一番わかっている」という態度を取りがちです。「お母さん・お姉さん病」とでも呼ぶべき、勝手な忖度。それが本人の実態とズレればトンチンカンな押しつけですし、正解だったとしても「余計なお世話」と思われるでしょう。