概要

旬なニュースの当事者を招き、その核心に迫るBS日テレの報道番組「深層NEWS」。(月〜金曜 午後10時から生放送)読売新聞のベテラン記者で、コメンテーターを務める飯塚恵子編集委員と、元キャスターの吉田清久編集委員が、番組では伝えきれなかったニュースの深層に迫る。

新駐日米大使のラーム・エマニュエル氏が1月に着任した。豪腕で鳴らす新大使の下で、今後の日米関係はどうなっていくのか。元外務審議官で日本総研国際戦略研究所理事長の田中均氏、笹川平和財団上席研究員の渡部恒雄氏をゲストに迎えた2月3日の放送を踏まえて、編集委員2氏が語り合った。

新駐日米大使その手腕は

本国に太いパイプ

「駐日大使に求められる資質は四つあると思う。大統領に近いこと。党や議会に影響力があること。経済界に近いこと。そして日本をよく知っていることだ。新大使は、四つ目以外は全部満たしている」=渡部氏

「エマニュエル氏は国内政治のプロ。オバマ政権では首席補佐官を務めており、当時副大統領だったバイデン氏と相当近い関係にあるのは間違いない」=田中氏

吉田エマニュエル氏は、もともと米大統領選でビル・クリントン候補の財務委員長を務め、驚異的な資金集めで一躍注目された人物です。クリントン政権の上級顧問、下院議員を務めた後、オバマ政権では大統領首席補佐官として、成立が危ぶまれていた医療保険制度、いわゆる「オバマケア」の実現に尽力しました。「ランボー」の異名もあり、その辣腕ぶりは有名です。

エマニュエル氏の経歴(1月7日付 読売新聞)©️日本テレビ

飯塚エマニュエル氏は確かに、渡部さんの示した条件四つ目の「知日派」という条件は現状では満たしていないでしょう。でも、重要なのは本国での立場が強いことです。「日本を知る」のは、これからやれる。先例は、オバマ政権時のジョン・ルース大使です。当初、日本での人脈や知見はほとんどありませんでしたが、東日本大震災に遭遇し、日本支援の「トモダチ作戦」の先頭に立った。日本にとって極めて重要な仕事をし、歴史に名を刻みました。

吉田エマニュエル氏は「被爆地・広島を訪問したい」という意向を示すなど、その発言からは「日本を知ろう」という強い意欲が伝わってきます。ツイッターでの情報発信にも積極的です。行動力にあふれた大使として、今後いよいよ本領を発揮していくのではないでしょうか。

バイデン大統領との関係(1月7日付 読売新聞)©️日本テレビ