【準備2】
いざというとき慌てないように、有用な情報を集める

自宅ではどんな介護を受けられるのか、自宅で暮らせなくなったらどの施設に入居するのか。いざというときに調べ始めても、ベストな選択はできません。元気なうちに近くの地域包括支援センターへ相談するほか、近所で実際に在宅介護を経験した人に話を聞いてみましょう。

シニア向けの住宅や施設は、パンフレットやネットで情報を集めるだけでなく、どんな雰囲気なのか実際に行って肌で感じてみるのがおすすめ。有料老人ホームや一部のサ高住では時折、食事試食会付きの見学会を催すことがあります。

居室の広さや収納の量が予算に合うかなどの確認も大切です。現在の自宅と比べて「意外と物が入らない」とわかれば、物の整理にも意欲が湧いてくるでしょう。

 

【準備3】
手持ちの資産をすべて洗い出し、施設選びの目安に

老後の生活は、年金や保有資産でやりくりするのが基本です。いくら使えるかを把握していなければ、どこに住み替えるかも決められません。手持ちの資産を確認しておきましょう。

まずは現在の収入として、公的年金、個人年金、ほかに家賃収入や配当金があれば書き出し、「月々の収入(A)」を算出。次に預貯金、株など投資性商品、生命保険、不動産(おおよその売却価格)を書き出してください。負債があればそこからマイナスし、「保有資産(B)」を出します。

入居一時金などまとまった資金が必要な場合はBから支払い、月額費用はAでまかなうのが理想的です。しかし月々の収入額が少ないと、Bから不足額を取り崩すことに。医療費などの予備費を残しつつ、人生の最期までBの残額が底をつかずに住み続けられる施設を選ぶことが、老後の住み替えのコツです。

また、元気なうちにシニア向け住宅に移る場合は、ある程度の要介護状態になったら施設系に住み替えることを想定し、マネープランも2段階で練っておく必要があります。