僕の採点基準その一「リズム」

僕の採点の基準はいくつかあります。

『漫才論 - 僕が出会った素晴らしき芸人たち』(著:オール巨人/ヨシモトブックス)

まず、「聴いていて心地いいリズムができているかどうか」。

なぜなら、リズムは練習量に比例します。僕は、練習量が多い人が好きなんです。間違った練習はいくらやっても練習にはなりませんけどね。

決勝に残るようなコンビはしっかり練習をしていますが、審査をしていると練習量の違いも見えてきます。正しい練習を重ねたコンビは、息と間がうまいし、セリフを噛まない。つまり、お客さんに届くしゃべり方ができている。お客さんに届かないと笑わせることはできませんから。

お客さんに届かせるには、漫才の出発点である“つかみ”も重要です。つかみがうまくいけば、「この漫才師、面白いな。ずっと聞いてみようかな」と、以降のネタも好意的に受け入れてもらえます。