いつもと違う、どこか調子がよくない…と思っても、かかりつけ医のいない人はなかなか気軽に聞けないもの。小さな不調に大きな病気が隠れていることもあるので、油断は禁物です。また、人になかなか打ち明けられない悩みも、日々医療は進歩し、治療法が開発されていることも。大切な自身や家族の健康は、ぜひ医師に相談してみてください。女性に多い病気を中心に、症状、原因、治療、予防の4つの観点でご紹介します。第3回は、「帯状疱疹」です。(取材・文/読売新聞 渡辺勝敏)
目次
症状 痛みを伴った赤みや水疱が

原因 免疫の低下でウイルスが活性化
治療 72時間以内の薬服用が効果的

予防 免疫を低下させない健康的な生活を

〈症状〉痛みを伴った赤みや水疱が

体の左右どちらかに神経痛のような痛みを感じます。1週間ほどすると赤みを帯びた皮膚が盛り上がり、小さな水疱が現れ、痛みを感じる神経に沿って広がります。治療をしなければ5日間くらい水疱が増え続け、その後乾いて、2~3週間で治ります。皮膚の症状は、水疱の群れが1~2ヵ所の軽いものから、神経に沿って皮膚全面にびっしりできるものまで。全身各所に出る可能性があります。

痛みを伴った皮膚症状が特徴で、焼けるような、とか突き刺すような、など痛みはさまざま。また、知覚が鋭くなったり、鈍くなったりする知覚異常を伴うことがあります。すべての年齢で起こりますが、50代後半から高齢者に多い病気です。特に高齢者の場合、帯状疱疹後神経痛(PHN)といって、痛みが残ってしまうことも。そうなると治りにくいです。

 

急性的な痛みと帯状疱疹後神経痛の痛みは、図のように重なりあって起きているので、厳密に線を引くことができない
漆畑修:『帯状疱疹 最新皮膚科学大系第15巻』(中山書店)より改変