――今年度新しいブランド“APL”を立ち上げると伺いました。何故今新しいブランドを立ち上げようと思われたのでしょうか?

松本 現在展開しているARITA PORCELAIN LABはラグジュアリーでモダンな領域を目指しており、主に百貨店で展開しています。富裕層の方には好評なんですが、価格も高めの設定になっているため、20~30代の方は、欲しくてもなかなか手が出ない状況です。
そこで、ある程度手が届く値段帯のセカンドブランドができないか?と思い立ったのがきっかけです。

――特許を取得なさっている新技術「新陶土」を作るきっかけになったアイデアはどんなものだったのでしょうか?

松本 セカンドブランドを作るにあたって、今のARITA PORCELAIN LABの特徴を活かして価格が安い物を作ろうと考え、刷毛巻きの白の質感に近い陶土が出来ないかと思い試行錯誤したことが新しい技術につながりましたね。

とはいえ、釉薬と土の調合によって、色の白さや、質感、艶、強度が変わってくるので、最適な調合を探し出すのにかなり苦労しました。

――APLブランドとARITA PORCELAIN LABブランドの棲み分けについては、どのようにお考えですか?

松本 ARITA PORCELAIN LABはラグジュアリーモダンなブランドとして、主に百貨店で展開。APLはカジュアルモダンブランドとして、主にインテリアショップで展開、を考えてます。

APLブランドが広がることによって、ARITA PORCELAIN LABを知っていただき、ファンになってもらいたい。また、結果的に有田焼に興味をもってくださる人が増えていけばよいなぁと思います。

社長でありデザイナーでもある松本さん。製品の話で盛り上がる