経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する新連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「還付金詐欺」についてです(イラスト:さかがわ成美)

「還付金詐欺」の被害が多発

新潟県内で「還付金詐欺」の被害が多発し、2022年3月時点ですでに昨年1年間の被害件数を上回っていると、県警が警告を発しました。

多発しているのは同県だけではありません。21年の年間被害額は約45億円、前年比で約20億円増。被害者の約95%が65歳以上で、約72%が女性です。

その手口はというと、まず「入院費の返金があります」「介護費の過払い分をお戻ししたいのですが」などという電話がかかってくる。心当たりがある人は、病院や施設からの電話だと思い込み、どうすればいいのかとたずねます。

すると、「ATMの操作で返金されますよ」と最寄りのATMへと誘導されます。ATMへ向かう頃には、さまざまな話をすっかり信じ、返してもらえる気になっているのです。

そこで再び電話。「今から言うとおりに操作してください」と金額などを打ち込まされて、最後に「では、これから振り込みますから、〈振り込む〉というボタンを押してください」と指示されます。

当然ではありますが、ATMで〈振り込む〉のボタンを押せば、自分の口座から相手の口座にお金が振り込まれます。

ATMで還付金を受け取れるなどということは、絶対にない。けれど、ATMの操作に不慣れな高齢者などは、疑問を抱かないままボタンを押してしまうようです。