よく見ると、夫が赤ちゃんだった頃に買ったらしい新品のオムツまで置いてある。義母に「このオムツ、いりますか?」と聞くと、「いつか使うから取っておいて」と即答。いやいや、変色していますし、50年以上前のものは使えません。そもそも誰が使うの?
ほかにも放置された梅干しや梅酒、謎の液体が入った瓶など今すぐ処分したいモノばかりだったが、実の親ではないので強くは言えない。
結局、山のような荷物は新居にそのままやってきた。ハウスメーカーに注文して建てた家は、6LDKに納戸が2ヵ所という大きめの設計。義母には、8畳の仏間と4畳の納戸がある1階に落ちついてもらうことにした。
しかし荷物が収まりきらず、2階の納戸や庭の物置など、私たちの生活スペースまで侵食。1階の納戸は荷物を詰め込みすぎたせいで、引き戸が開けられなくなった。
そんな義母の口ぐせは、「みんなガラクタだから、私が死んだら処分して」。その言葉を聞くたびに、「いやいや、お義母さん。処分するにも費用がかかるんですよ。あの大量の品々に、いくらかかるか知っていますか?」と思っていた。口には出さないものの、私の顔はひきつっていたはずだ。
実の息子からモノを減らすようお願いすれば事態は変わるかもしれないが、残念ながら非協力的な夫のことだから、相談したところで「気になるなら自分でなんとかしろ」と言われるのがオチだろう。これ以上余計なストレスを増やしたくないので、心に折り合いをつけながら、幸い大きなトラブルもなく暮らしていた。