イラスト:堀川直子
コロナ禍で在宅時間が増えたことで、生活空間を整えるために断捨離をする人が増えました。結果、粗大ごみが急増し、対応に追われる自治体もあるといいます。環境省は今夏にも、家庭で使われなくなった衣類や家具の再利用に取り組む、自治体を対象としたモデル事業を始める予定です。離れて暮らす親の実家を片付ける「親片」や、住む人のいなくなった空き家問題も近年話題に。生活空間は自分好みに整えておきたい。しかし価値観の違う家族がいると、思い通りにはいかないようです。河元由紀子さん(静岡県・パート・60歳)の場合は、夫の母を新居に呼び寄せることになり……

50年前に買ったオムツも処分させてもらえず

私はモノに執着しないタイプだ。高い服でも、サイズが合わなくなればすぐ手放す。自分のアルバムは引っ越しの際にすべて処分した。「いつか使う」「いつか着る」といった仮定の言葉は信じていない。

そんな私のことを、夫は薄情だと言う。以前、結婚式の写真を処分していいか相談したら怒られた。けれど、よく考えてみてほしい。30年近く前の写真など一体いつ見るというのか。それよりその収納スペースがもったいないと思ってしまうのは、そんなに悪いこと?

私と正反対なのが、義母である。義父を亡くして広い家に一人で暮らしていたからか、戦前生まれだからか、とにかくモノを捨てない。そんな義母と、わが家を建て替えるタイミングで同居することになった。

単身赴任中の夫に代わって義母の家へ引っ越しの手伝いに行くと、あまりの荷物の多さにあ然とした。彼女の持ち物は、私たち4人家族の10倍、いや15倍以上もあったのだ。食器の量はホテルの宴会場並み、布団と座布団は押し入れに隙間なく詰められている。はっきり言って怖かった。