じっくり観察して大きく描く
では、ここからは具体的な描き方をご紹介します。用意する道具は、次のページを参考にしてください。
最初に、描くモチーフを考えましょう。初心者は、葉っぱや野菜などが描きやすくておすすめです。写真や想像ではなく、必ず実物を目の前に用意すること。絵手紙は下描きをせずにぶっつけ本番で描くのが基本です。細部までよく観察して、形や質感、キズなども活かしましょう。
墨で輪郭を描いていくときに大事なのは、ハガキからはみ出すくらい大きくダイナミックに描くこと。半紙をハガキの下に敷いて描くと、はみ出して描きやすくなるので試してみてください。
ただし、最後に言葉を添えるので、絵の大きさはハガキの7割くらい、と意識しましょう。また、線は直線的に描かないことが重要です。濃淡や、細かったり太かったりする、いびつな線こそ魅力。筆をゆっくり動かすことも心がけましょう。
次に色付けです。ポイントは、塗り絵のようにベタッと塗りつぶさないこと。筆に水を多く含ませたり少なめにしたりして濃淡を表現しましょう。あえて塗り残した部分をつくると、みずみずしい印象に仕上がります。
最後に添え書きは、詩的な言葉である必要はありません。相手に伝えたいカジュアルな言葉で十分です。仕上げに印を入れると作品の完成度が上がるので、忘れずに。細かいステップは、後編で詳しくご紹介します。
絵手紙を始めると、身近にある草木や野菜、果物などに季節を感じるようになり、豊かな気持ちになるはずです。また、誰かを思いハガキに向かう時間も楽しいもの。「絵手紙を始めたよ」と書き添えて、家族やお友だちに送ってみてはいかがでしょうか。