仕事に対する意識の低さの常識

こういった傾向から、仕事に対する意識の低さを「今の若者はワークライフバランスを重視するようになったから」と理由付けする論調が非常に多い。例えば、次のような感じ。

最近の若者の中には、特にやりたいことはない、という人が増えましたよね。一方、プライベートの時間を充実させたい、私生活を豊かにするために働きたい、と考えるのがイマドキの若者です。したがって、就職先を選ぶときも、ワークライフバランスを最重視する。端的に言えば、給料はそこそこで早く帰れる会社、となります。

あるいは、次のような感じ。

現在の若者は、非常に多様な趣味を持っています。昔のように、皆が車を持つ、といった時代ではなく、それぞれが好きなことを大事にする時代。よって、働き方を考えるときも趣味の時間の確保が最優先となる。

それが今の若者の仕事観です。就職先の選択において、ある程度の給与がもらえる安定した会社、という条件が一番に挙がってくるのも、趣味の時間を意識した結果でしょう。彼らは、節約するところは徹底的に節約する一方、好きなことにはお金を惜しみません。

いかがだろう? 専門家のコメントを引用したように見せているが、実は私の完全な創作だ。それでもどこかで読んだことがあるような感じがするのではないだろうか。

しかし、世に出回っているこれらの論調には2つの重大な誤解が含まれている。