プライベートの時間は何に費やす?
第2の誤解は、そのプライベートの時間の解釈にある。先のなんちゃって引用文の中で「若者は多様な趣味を持っている」という ”専門家”の意見を紹介した。
が、実際にはその可能性は低い。
自分の好きなことに惜しみなくお金をつぎ込む姿勢も、やはり私から言わせれば、ごく少数の意識高い系のすることだ。仕事もそこそこに後はやりたいことに熱中する人は、はたから見ても生き生きしているはずだ。
それでは、多くの若者がプライベートの時間に何をしているかといえば、ゲーム、ユーチューブ、Amazonプライム・ビデオ、Netflix、そしてSNSだ。これらはコロナ禍のステイホームによってより加速した。
は? そんなこと? と思うかもしれないが、そう、そんなことだ。もう一度言うが、本書で議論しているいい子症候群の若者たちには、特にやりたいことはないのだ。そもそも、人に譲れないほどの趣味を持つ人なら、仕事もそれなりにがんばれる。ある意味で自分の中に1つの軸ができているから、陰キャぽくもメンヘラぽくもなったりしない。
※本稿は、『先生、どうか皆の前でほめないで下さい――いい子症候群の若者たち』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。
『先生、どうか皆の前でほめないで下さい―― いい子症候群の若者たち』(著:金間大介/東洋経済新報社)
ほめられたくない、目立ちたくない、埋もれていたい……。今、こんな若者が激増している。
・「成功した人もしない人も平等にしてください」
・選択の決め手はインフルエンサー
・「浮いたらどうしようといつも考えてます」
・LINEグループで育まれた世界観
・もう「意識高い系」とすら言わない
・上司からの質問を同期に相談する
・自分に自信はないけど社会貢献はしたい
令和の時代の重大異変を、イノベーションとモチベーションの研究家が徹底分析!