若者が選択する際の決め手はインフルエンサーとのことで――(写真提供:photoAC)
自分で考えて行動できない、指示がないと動けない「指示待ち人間」。チームや会社のパフォーマンスにも影響を及ぼしかねない存在ですが、同じ「指示待ち人間」でも、今の若者に限ってはこれまでの世代とやや趣が違うと、金沢大学の金間大介先生は言います。特にSNSネイティブの彼らは「自分で意思決定することに対して、強い抵抗を持っている」とのことで――。

なぜ質問しないのか

「例題にならう」決め方に関しては、彼らの間には強力な「行動の三原則」がある。

(1) 提示された例題はものすごく参考にする
(2) 例題の提示がなければ基本、何もできない(しない)
(3) よって、参考とすべき例題の提示を強く望む

こんなエピソードがある。

ある職場で、上司が新入社員にひととおりのやり方を教えた上で、「わからなくなったらいつでも聞いて」と言い残し、ある業務を任せた。もちろん、ちょっと教えただけですべてサラサラとできる業務ではない(仕事とはそんな楽なものじゃない)。

しかし、彼らは一向に質問に現れない。

さて、それはなぜでしょう?

その上司の顔が怖いから?

確かにそれもあるかもしれない。

ならばエピソードの設定変更。その上司は福山雅治のようにカッコよく、大泉洋のように気さくでおもしろい人だとしよう。

さあこれで質問に来るか。

と思いきや、依然として質問には現れない。

なぜか?

答えは簡単だ。というか、もうあなたはその答えを知っている。答えは行動の三原則の(1)と(2)にある。