幼児期の子どもの心、ちゃんと見ていますか
高濱 幼児期と思春期という言葉があるように、その2つの時期の子どものありようはまったく違う。だから教育もしっかり分けて考えるべきなんです。
てぃくんにはすべてわかっていることだけど、この本で「おたまじゃくし期」と表現した幼児期に何より大事なのは「心」なんだよね。もちろん、文字が読めるとか計算ができるといった最低限の学力は必要だし、舐めてはいけない。でも最も大事にしたいのは、子ども自身が「やれそう」と思うことや、何かに「楽しそう」とのめりこんじゃう感じのほうです。
幼児には、その辺の小石の投げっこさえ、おもしろく感じられる時期がある。その時期に変な価値観を入れてしまうと、「それが何?」と冷めた子どもになる。最悪の場合、「それ、いくら?」と、値段=価値であると心から思うような子になってしまう。
価値とは本来、自分の心が決めるものです。幼児期の子どもは誰もがちゃんとその心を持っていて、自分がおもしろいと思うことしかやらないはずなんです。まずはそこを大事にしてあげることです。
てぃ先生 口笛とか指パッチンとか、子どもは大好きですよね。
高濱 そうそう。それでちょっとできるようになると必ず友達に言うんだよね、「お前、これできるー?」って(笑)。