高濱さんいわく、「15歳くらいまでの間に自己肯定感を培っていれば、どんな逆境に陥ってもめげずに復活できるし、ガンガン突き進める」とのこと

日本の親は、もっと「親バカ」になるべき

てぃ先生 最近、お子さんと親御さんの関係を見ていて思うのが、日本の謙遜の文化ってマジで邪魔なんじゃないか、ということで。

高濱 「いえいえ、うちなんか」ってやつだね。

てぃ先生 はい、まさにそれです。例えば保育園のかけっこで一番をとった女の子がいたとします。その子と先生の間では、「一番だったね、やったね!」と大盛り上がりで、女の子はその日一日ずっと「帰ったらママに言うんだ」と言っていた。お迎えのとき、先生がお母さんに「今日は※※ちゃん、かけっこで一位だったんですよ、足が速いんですね」と伝えると、お母さんがその子の目の前で「いえいえ、うちの子なんてそんな速くないですから」と言う。

その一言で、女の子はがっかりしちゃうんです。ママと「やったー! 私一番だ!」とハイタッチできると思っていたのに。翌日会うと、「もうかけっこはしたくない」となっていて。

日本の親は、もっと「親バカ」になったほうがいいと思います。

高濱 本当にそう。これはすごく根深い問題だよね。

日本って、幼稚園の集まりから老人会に至るまで、「質問のある人?」と言われて手を挙げる人、ほとんどいないでしょう? 変なことを言ったら恥ずかしいと人目を気にするし、下に下がっておけばいいという謙遜社会だからね。

それが子育てにおいては、すごく邪魔になっている。子どもが他人に褒められると「いや、うちのはバカですから」と、言わなくてもいいことを言うんだよ。

子どもが小さい頃は親バカであれ、その一点張りでいいくらいだと思うな。

てぃ先生 調子に乗らせると天狗になるから良くない、と言われますしね。

僕も保護者の方からよく相談を受けます。「うちの子が『僕、△△くんより速いんだよ、△△くんは足が遅いんだ』と、家の中でずっと意地悪を言っているんです」って(笑)。

高濱 小さいときって、言いたいんだよね。