病院嫌いのワガママ夫
夫はとにかく病院と名のつくところが大嫌い。歯科医院もダメ、近所の内科もダメ。健康診断なんてもってのほかという偏屈オヤジです。
その結果、虫歯を治療しなかったせいで歯は総入れ歯に。風邪を放置したせいで肺炎に。お腹が痛いのを我慢したせいで腹膜炎に、と散々な目に遭っているのに、本人はまったく懲りません。
ここ数年は、外出することが少なくなったせいか、とうとう認知症の症状が出始めました。自分が脱いだ服なのに「誰のシャツだ!? 邪魔だ!」と文句を言い、電車に乗って出かければ「俺はどこへ行くんだ?」と途中の駅で電話をかけてくる……。
心配した長女が病院で医師の診察を受けるように説得しているのですが、「人をボケ老人みたいに言うな!」と激怒する始末です。
初期のうちに対策を取ることが重要なのにそれもできず、すっかり途方に暮れています。
(和歌山県・66歳・主婦/夫・70歳)
(和歌山県・66歳・主婦/夫・70歳)
サークル通いのお目当ては……
認知症予防にと夫が定年後に始めたのは、シニア向けサークルでのコーラス。以前は練習もサボり気味だったのに、最近やけに熱心に通っているなぁと思ったら、どうやらメンバーに若手のお嬢さんが加わったようなのです。“お嬢さん”といっても60歳ですが、グループのなかでは最年少だそう。
以来、夫は身だしなみに気を配るようになり、暑い日にはアイスクリーム、寒い日には焼きいもを差し入れするなど、それは楽しそうにやっています。
一昨日もコソコソ銀行に行ったと思ったら、10万円もの大金を引き出していました。おそらく彼女に貢ぐためでしょう。先月だって少ない年金のなかから「彼女の誕生日会をやるから」と、3万円を持ち出したばかりなのです。私にはハンカチ1枚買ってくれないのに。
――いいですよ、好きにやってくださいよ。私はあなたのヘソクリを失敬して、韓国までミュージカルを観に行ってきますから!
(栃木県・75歳・主婦/夫・78歳)
(栃木県・75歳・主婦/夫・78歳)