「クラスメイトのママパパに、どれほどお世話になっているか。元旦那さんの人間性も手伝って、今や彼の方がママ友パパ友が多いくらいだ。私たち元夫婦は、世間様のおかげで孤立せずに済んでいます」

孤立せずに済んで

「離婚するのは勝手だけれど、子どもはきちんと育ててくださいね!」と道ですれ違う知らないおばさまに叱られたこともある。

だ、だれだろう。私は反論する元気もなかった。キレるのは得意なはずなんですが。ある程度元気じゃないと怒るパワーは出ないと知る。

パパママ子どもで笑い合う家族を見れば泣けてきた。そんな時は何も面白いことがなくても娘に向かって、幸せすぎる! と言わんばかりに笑いかけた。

「辛いときこそ笑え」。これが恩師の言葉。

これで、道ゆく人は私たち母娘が地域で1番幸せにみえただろう。ふふふ。

本当はまったく元気じゃなかったし、仕事とうちとの両立で、目標は「倒れない!」だった。倒れたらどうしよう、ということで、ご近所さまとは仲良くなり、娘には「もしママが倒れたら隣にピンポンいきなさい」と伝えた。倒れたときの保険として始めたご近所さんとの交流は、結果的に人生を豊かにしてくれる1つになった。何しろ仕事しかしてこなかった10年。ご近所さんたちの言動はすべてが新鮮だった。人生を豊かにするいろいろなこと。料理の楽しさも動物も植物も器もディズニーランドも、その時期に教わった。

幼稚園で催し物があると「パパもくる!」と娘は喜ぶ。いや〜困った、というのが正直なところだ。そんな、一緒に娘を見て笑い合うほどの関係じゃないし!

わはははは〜。

そんな時も、世間様に助けていただく。

「今日パパも来るから絶対私たちに話しかけて。それで話をやめないで。いなくならないで」

「わかったわかった(笑)」

「いなくなったら追いかけるよ」

「任せて〜」

そして、みんなとても自然におやりになる。クラスメイトのママパパに、どれほどお世話になっているか。元旦那さんの人間性も手伝って、今や彼の方がママ友パパ友が多いくらいだ。私たち元夫婦は、世間様のおかげで孤立せずに済んでいます。

結婚も離婚も独身もそんなに簡単じゃない。私は離婚を選択した。私の場合は選択せざるを得ないほど未熟だったと思うのだが、娘との2人暮らしは気にいっていて彼女の為に自分の為に努力したいと思っている。

但し2ヵ月に一度ペースで現実逃避したくなる。それはやはりオトコでいきたい。ハマらない程度に(ハマるから楽しいのですが)。それが今の希望です。

青木さんの連載「48歳、おんな、今日のところは「●●」として」一覧

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