優しくて面白くて気遣いができる井戸田さん

たとえば、2019年10月1日から消費税が10%に引き上げられるというニュースを番組が扱った際、MCのアナウンサーから「その前に何を買うか」という質問を受けました。そのとき私が、「う~ん…、高いオリーブオイルかな?」と答えたら、隣で井戸田さんが、「そういうとこ、急に“主婦目線”になるんだよなぁ」とボソッと言ってくれたのです。ギョーカイ人としてのキャリアだけでなく、“生活者”としての私のことも見てくれているのだとありがたい気持ちになったものです。

また、東海3県の街にまつわるクイズが出題される「街Q」というコーナーで、2択の問題に対し、井戸田さんと私がA、B、それぞれの札を挙げて解答するときのこと。「せーの!」で挙げた札がかち合ってしまったとき、咄嗟に私が「じゃあ私、替えます」と井戸田さんと異なる札を挙げると、「こういうとこ、“放送作家”なんだよな~」と褒めてくださいます。私がこうするのは、揃って同じ札を挙げるよりもコーナーが盛り上がるからに他ならず、それを井戸田さんもわかってくれているのです。

井戸田さんのこうしたフォローコメントや、笑い声を含めたリアクションは、私だけが東京のスタジオからリモート出演しているときにも頻繁に発せられます。

離れているのでただでさえコミュニケーションがとりにくいうえ、リモート出演には“ディレイ”といって、先方にこちらの音声が伝わるのに数秒の遅延があり、慣れていないとやりにくいものなのです。が、顔が見えなくても井戸田さんが“素”に近いカンジで笑ってくれたり、リアクションしてくれたりすることで、いつも、どれほど助かっているか……。生ワイドではあるものの、“バラエティ班”である井戸田さんと私ならではのやりとりだと自負しています。

でも、それだけではありません。元々井戸田さんは誰もが認める優しい人柄なのです。それは、こうした温かなやりとりの合間、合間に出ているし、そのお陰で、私は「今日は、うまくいった」という達成感も生まれます。早朝の番組ゆえ、井戸田さんと共演すると、その日一日がパーッと明るくなる。他の場面で自分が逆の立場になったなら、優しくて面白くて細やかな気遣いが瞬時にできる井戸田さんを見習おうという想いにもなります。

ドラゴンズのユニホームを着て、メ~テレ『ドデスカ!』のスポーツコーナーを仕切る井戸田潤さん。奥は、メ~テレの濱田隼アナウンサー