「少し価格が高かったとしても、プラスチック容器ではない商品を選んでみる。これも私たち消費者ができることですね。」(酒井さん)

渡部 もう少し大きなことで言えば、たとえば、家を建てたり、リフォームしたりする際にはソーラーパネルを設置して太陽光発電にする。車は、ハイブリッドや電気自動車などのエコカーへ買い替えを進める。30年からはガソリン車の新車販売が禁止になりますね。

酒井 脱炭素化に向かって、さまざまな取り組みを国、企業、個人で行っている。でも、ゴールは排出量実質ゼロとなると、実現できるのか心配になってきます。

渡部 温室効果ガスの排出量を実質ゼロにというのは、排出をゼロにするという意味ではないんですよ。人間が生活するうえで、多少は二酸化炭素を出さざるをえない。それならば、出した分と同じだけの二酸化炭素を取り除く。実質ゼロとはそういう意味です。

酒井 二酸化炭素を出したら、その分の木を植えましょう、といったことでしょうか?

渡部 それもありますが、さまざまな研究が進められているところです。たとえば、二酸化炭素を固定する方法。

酒井 固定するとは?

渡部 大気中の微量な二酸化炭素を集め、密封して海底に埋めるなどの方法ですね。あとは、二酸化炭素を回収して、生活の中で消費されているものに利用する。たとえば、炭酸飲料を作る時に使ってもいいかもしれませんね。これは専門外の僕のアイデアなので、実現可能かどうかはわかりませんけれど(笑)。でも今後、さまざまな技術が開発されるでしょう。