わたしと仕事どっちが大事なの?

「そうかなぁ?」
「そうよ、青木さん、よく言ってたよ。私と仕事どっちが大事なの?それに対するベストな男の答え方わかる?って。女クイズよ、青木さん得意の」
「あはは、あったね!あったよ!あれは秀逸だね、あの答えは!」
「いや青木さん、私と仕事どっちが大事?と聞く時点で面倒だろ」

そのゴリさんの意見に、もっともだ!と言わんばかりに頷く客席の男性。

「さすがに、もうその質問はしなくなったなあ。わたしも成長したのですな少しは!」
「昔、ベストな答えがあったんだよな、言ってよ青木さん」
「はい、それはですね」
「うん」
「わたしと仕事どっちが大事なの?と女性に聞かれた時の、男性のベストな答え方はですね」
「うん」

「……そんな質問させてごめんね、、、が正解です!何故ならば、女性だって愚問だとわかりながら聞いてるわけですよ、仕事と自分を天秤にかけるなんて馬鹿だなと。だけど、寂しいから、そんな言葉が出てくるわけですね。なので、そのバカなことを言うしかなかった女性の気持ちを汲んであげますとですね、出てくるわけです。そんな質問させてごめん、という謝罪が」

本連載から生まれた青木さんの著書『母』

おおお、と、どよめく客席の女性。
顔をしかめる客席の男性。

「青木さん厄介だわ〜」
「『厄介なオンナ』という本を出すほど自覚しておりますので、許していただいて」